2024.10.9 更新
七尾湾からなかなか出回らない高級貝「赤西貝」の魅力
美味しい海鮮が魅力の石川県ですが、その中でも地元民の間で消費され、県外へ出回る機会があまりない「赤西貝」という貝があるのをご存じですか?
石川県へ訪れた際に出会うことができたら、ぜひ召し上がっていただきたい高級貝です。
赤西貝のエピソードや、実際に漁に出られている漁師さんから伺ったお話をご紹介します。
1.赤西貝とはどんな貝?
今回ご紹介する「赤西貝」は、石川県七尾市近郊の地方名であり、よく間違われる「標準和名:アカニシ」とは異なる貝です。
七尾湾での赤西貝(標準和名:コナガニシ)は、水深20m以浅の砂泥域に生息するイトマキボラ科の巻貝で、鮮やかなオレンジ色をしています。
七尾湾は三方を能登半島に、一方を湾中央に浮かぶ能登島に囲まれており、波は穏やかで水深は比較的浅く、海底は砂泥質という県内の他の海域と異なる性質があります。
このため、七尾湾でしか採れない魚種が多数あります。
その中の一つがこの赤西貝です。
赤西貝を食べる習慣は石川県や広島県など限られた地域しかないそうで、七尾湾で採れた赤西貝は七尾市内を中心に消費され、県外にはほとんど流通することがないため、とても希少な貝となっています。
2.昭和天皇も愛した「おかわり貝」、実は漁師泣かせ!?
赤西貝はコリコリとした食感が特徴で、甘みが強く、貝の旨みがすごく感じられ、寿司屋や割烹料理屋でよく取り扱われています。
この美味しさは昭和天皇も愛した味と言われており、七尾市の和倉温泉で赤西貝を昭和天皇が召し上がった際、あまりの美味しさにおかわりをご所望されたという逸話があり、地元では「おかわり貝」との別名がついています。
そんな赤西貝ですが地元の漁師さんの話によると、夏によく採れるものの匂いが強烈で、食べるには殻を叩き割り苦みが強い内臓を取り除き、塩もみをしてヌメリを取るなど、手間がかかる割には可食部が少ない「漁師泣かせな貝」だそうです。
それでも、味は絶品であるため、高級貝として取り扱われています。
3.おすすめの召し上がり方
今回お話を伺った漁師さん(株式会社大生の竹内さん)におすすめの楽しみ方を伺ったところ、お造りで醤油やポン酢でいただいたり、酢の物や、甘みを感じやすいためそのままでいただくのもおすすめだそうです。
料亭などではかき揚げや炊き込みご飯にも使われており、火を通すことで生とは違った歯ごたえになります。
貴重な赤西貝と出会うことができれば、ぜひその味と食感を楽しんでみてくださいね。
基本情報
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取り扱い店舗
株式会社大生
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住所
石川県七尾市石崎町ホ54-1
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料金
七尾産 赤西貝(お刺身用):2,500円(税抜)
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お問い合わせ先
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記事作成者:COREZO