雑学・コラム 石川県

2025.3.18 更新

【おすすめ3選】氷室饅頭の秘密と美味しさに迫る

氷室まんじゅう
氷室まんじゅうがたくさん並んでいる画像

氷室饅頭(ひむろまんじゅう)は、毎年7月1日に夏の無病息災を願って主に石川県金沢市内で食べられている伝統的な和菓子です。その歴史や由来、色に込められた秘密、そして氷室の役割について知ることで、さらにその魅力、氷室饅頭のおすすめのお店についても詳しくご紹介します。ぜひ最後までお楽しみください。

1.氷室饅頭とは

1-1由来と歴史

7月1日の氷室の日には無病息災を願って氷室饅頭を食べます。これは主に石川県金沢市の風習で、金沢市民はこの風習を子供の頃から大切にしながら家庭や職場で楽しんでいます。
氷室饅頭は、加賀藩が江戸将軍家に氷雪(ひょうせつ)を無事に届けることを願って食べ、夏負けしない縁起物の和菓子として人気が出ました。当時は麦饅頭が主流でしたが、現在は主に酒饅頭が多いです。

1-2色の秘密

氷室饅頭の皮は赤、白、青(緑)の3色あります。色にはそれぞれ意味があります。
赤は【魔除け】、白は【清浄】、青は【健康】とそれぞれの色に意味があります。

1-3緑なのになぜ青と呼ぶのか

日本語では、昔から「青」という言葉が、青色だけでなく緑色も含む広い意味で使われてきました。食べ物で青色と言われている物は水に関する物が多く、その他陸に関する緑色の草や木の葉も「青々とした」と表現されることがあります。この歴史的な背景から、和菓子界でも緑色のものを「青」と呼ぶ習慣が残っています。
この伝統的な言葉の使い方は、日本の文化や歴史を大切にする心から来ています。
例えば、青梅(おあうめ)は緑色の梅の実を指し、青えんどう豆も緑色の豆です。こんなふうに、緑色を「青」と表現するのは、古くから続く日本語の特徴です。

2.氷室とは

雪を貯蔵庫

氷室とは雪や氷を貯蔵する専用施設のことです。金沢市湯涌地区では、雪を貯蔵庫に保存する「氷室の仕込み初め」と貯蔵庫から保存した雪を取り出す「氷室開き」という行事があります。氷室開きの際に取り出された氷雪(ひょうせつ)が献上する江戸まで無事に届くように祈願され、食べられたのが氷室饅頭です。

2-1氷室の仕込み初め

氷室小屋(ひむろごや)

江戸時代の氷はとても貴重なものでした。冬に氷室小屋(ひむろごや)と呼ばれる貯蔵庫に雪を詰めて保存することで、夏でも氷を使うことができました。
湯涌温泉にある氷室小屋ではこれを再現して雪詰めが行われています。毎年一般公開されており、今年は1月26日(日)に行われました。雪詰めは、どなたでも参加可能なイベントです。

2-2氷室開き

氷室小屋(ひむろごや)
氷 

旧暦6月1日を「氷室の朔日(ひむろのついたち)」と呼び、保管していた氷雪(ひょうせつ)を切り出して、徳川家に献上していました。この様子を再現した「氷室開き」が毎年6月30日に湯涌温泉にて行われています。
当時、江戸までの距離を加賀飛脚(かがひきゃく)達が昼夜かけて運びました。この様子も再現し、氷室小屋から切り出された氷雪を詰めた重さ60㎏の長持を飛脚の姿に扮した男性2名が担ぎ、掛け声を響かせながら湯涌温泉から金沢駅までの約17 kmの距離を運びます。その後運ばれた氷雪は例年、加賀藩の屋敷があった東京都板橋区に献上され、区役所イベントスペースで区民らに一般公開されています。

3.販売について

石川県金沢市内の和菓子店で、6月末から7月1日にかけて販売されます。各店にはそれぞれの特徴があり、おすすめのお店をご紹介します。

3-1御菓子司 つば屋 商品の紹介・特徴

つばやの氷室まんじゅう
つばやの氷室まんじゅう
つば屋店舗

金沢市にある御菓子司つば屋は、地元の食材を活かした伝統と新しさが融合したこだわりの和菓子を提供する老舗です。つば屋の氷室饅頭は酒饅頭です。皮のボリュームが多く、モチふわ食感の饅頭です。皮にボリュームが多い分、餡は小豆の風味とパンチを効かせバランスをとってあり、何個でも食べられる饅頭です。
発売から50年以上3代にわたり受け継がれた酒饅頭は、お子様でも安心してお召し上がれる優しい風味の饅頭になっています。店内に置かれている電子レンジで500W20秒(1個の場合)加熱すると出来立ての様なほかほか酒饅頭を楽しめます。酒饅頭は年中購入することが出来ますが、毎年氷室の日に合わせ氷室饅頭として販売しています。(本店にて予約販売あり)
令和6年は氷室の日に合わせ、北陸新幹線を使ったJR東日本の輸送サービス「はこビュン」を利用し、JR東京駅・上野駅・秋葉原駅にて販売されました。

基本情報
  • 料金

    1個190円(税抜)※昨年度の価格です。店頭や公式HPにてご確認ください。

  • 営業時間

    【水・木以外】8:30〜18:00 【水曜日】8:30~12時 ※つば屋本店

  • 定休日

    木曜日 ※つば屋本店

  • 取扱店

    つば屋本店、マルエー元菊店、大阪屋大徳店・近岡店

  • 公式サイト ※外部サイトに遷移します

    御菓子司つば屋

  • 住所

    石川県金沢市松村5丁目1番地

3-2茶菓工房 たろう 商品の紹介・特徴

たろう氷室まんじゅう
たろう 店内

金沢市にある茶菓工房たろうは、地元の食材を活かし、伝統的な技法と現代的な感性を融合させた名店です。見た目の美しさと味わいの深さが特徴で、お洒落なパッケージも魅力の一つです。
たろうの氷室饅頭は「たろうの酒まんじゅう」として販売しています。生地はもっちもちふわふわ。秘密は石川県内の酒蔵の酒粕を使用して発酵することです。中の餡はこし餡、粒餡、白みそ餡の3種類あり、皮の色によって中の餡が違います。生地を傷めないように丁寧に手で包まれた酒まんじゅうは氷室の時期にしか味わえません。
例年6月下旬から7月1日まで販売されており、昨年の予約販売は6月25日まででした。当日販売は例年午前中で売り切れてしまうため、予約がおすすめです。

基本情報
  • 料金

    1個162円(税込)※昨年度の価格です。店頭や公式HPにてご確認ください。

  • 営業時間

    店舗によって異なりますので公式HPでご確認ください。

  • 定休日

    店舗によって異なりますので公式HPでご確認ください。

  • 取扱店

    本店、弥生店、鬼川店、百番街店

  • 公式サイト ※外部サイトに遷移します

    茶菓工房たろう

  • 住所

    金沢市増泉4丁目3番7号(本店)

3-3金沢 うら田 商品の紹介・特徴

うら田 氷室まんじゅう
うら田 店舗外観

金沢市にある金沢うら田は、伝統と現代を融合させた和菓子を提供する歴史ある老舗です。
うら田の氷室まんじゅうは、こだわりの酒種を用いて生地を製造しており、しっとりふっくらと蒸しあげられたモチモチな酒まんじゅうです。餡は3種類あり、手間暇かけて製造されています。皮の色によって中の餡が違い、白は黒こし餡、赤は黒粒餡、青(緑)は白こし餡と3種類の餡が楽しめます。白こし餡を用いた氷室饅頭は珍しい為、人気があります。

基本情報
  • 料金

    1個195円(税込)※価格変更の可能性があります。店頭や公式HPにてご確認ください。

  • 営業時間

    店舗によって異なりますので公式HPでご確認ください。

  • 定休日

    店舗によって異なりますので公式HPでご確認ください。

  • 取扱店

    御影本店、百番街店、泉野店、香林坊大和店、金沢エムザ店

  • 公式サイト ※外部サイトに遷移します

    金沢うら田

  • 住所

    〒921-8021 石川県金沢市御影町21-14(御影本社)

4.まとめ

いかがでしたか?金沢駅に直結している金沢百番街で購入できるお店があるのは嬉しいですね!無病息災を願いながら、美味しい氷室饅頭を味わって、暑い夏を元気に乗り切りましょう!

\ この記事を書いた人 /

りんりん

りんりん

富山県出身、石川県在住。
普段は銀行窓口にて勤務しています。
休日を利用して北陸の温泉や神社巡りをすることが楽しみです。
北陸にはイイトコロやイイモノが沢山あります。
北陸の魅力をみなさまに知っていただけると嬉しいです。
ぜひ北陸にいらしてください。

\ この記事を書いた人 /

りんりん

りんりん

富山県出身、石川県在住。
普段は銀行窓口にて勤務しています。
休日を利用して北陸の温泉や神社巡りをすることが楽しみです。
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北陸の魅力をみなさまに知っていただけると嬉しいです。
ぜひ北陸にいらしてください。

※掲載されている情報は、時間の経過により実際と異なる場合があります。

記事作成者:COREZO